こんにちは、リビンマッチ公認!リビンマッチの歩き方~不動産テックとは~です。
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「リビンマッチ・不動産テック」今回は、「米国のリアルエステートテック」です。
AIの能力は近年の技術革新により、今や飛躍的な発展を遂げています。
自動車の自動運転化への移行が加速していることや、証券会社の株式トレーダーから仕事を奪ったり、将棋に続き囲碁で人に勝利をおさめるなど、ここ数年のAIの能力の高まりには著しいものがあります。
今やAIの技術をどれだけ事業に取り入れることができるかが、多くの業界のトレンドとなった感すらありますが、アメリカでは不動産取引をバックアップする不動産テックが業界をけん引しています。
アメリカにおいて中古住宅の売買活性化を促す「リアルエステートテック」とはどのようなものかご紹介いたします。
リアルエステートテックとは
日本の住宅建築に対する基本的な考え方として、建てては壊し、再び建てては壊すという、「スクラップ&ビルド」が長らく定着していました。
もともと木造家屋だった日本では、西洋のように石造りではありませんので、あくまで作ったものはいつか朽ち果て、壊れるという前提でした。
日本は古くから自然災害に翻弄されていましたし、江戸では大火事もよく起こっていたようですので、日本人にとって住宅とは建ててもいつか無くなるというものだったようです。
戦後の建設業や不動産業でもその名残りが受け継がれているのか、日本の住宅市場のなかでは新築の住宅がもてはやされるのに比べ、中古住宅は大幅にその価値を下げる、といった商慣習が続いていて、利益を上げる仕組みもその前提でできてしまっています。
日本の中古住宅の市場は規模そのものが小さく、住宅市場全体に占める割合は2割にも満たないのが現状であり、ほとんどが新築住宅で占められています。
一方で、海外の中古住宅の市場規模はというと、アメリカが9割近く、イギリスでは7割、フランスでは6割近くとなっており、日本は圧倒的に少ないということが分かります。
中古住宅の取引が非常によく行われているアメリカにおいては近年、「リアルエステートテック」と呼ばれるサービスが市場を盛り上げています。
リアルエステート(Real Estate=不動産)+テック(Tech=IT技術)という言葉が示すように、不動産分野のビジネスと最新のIT技術が組み合わさった、従来になかった新しいサービスです。
具体的にどういった効果をもたらしているのかというと、中古住宅の売買に関連するビッグデータをIT技術で分析して処理することにより、多くの人に向けて透明性の高い、大量の不動産情報を提供することを可能にしました。
物件の購入希望者にとって吟味を必要とするデータが、「リアルエステートテック」によりわかりやすく正確に提供されているおかげで、中古住宅市場は盛況を迎えているといえます。
アメリカではすでに複数の企業がリアルエステートテックを提供していて、誰でもカンタンに利用することができます。
アメリカには不動産データベースである「Multiple Listing Service (MLS)」というものがあるのですが、売主から依頼を受けた不動産仲介業者が物件の売り情報をMLSに随時登録していて、各仲介業者はこれを見てその物件が売りにでていることを知る、という仕組みになっています。
リアルエステートテックはMLSなどの不動産情報システムに登録されている情報を活用して、物件の現在の資産価値や家賃、そして将来的な資産価値などの情報を提示してくれます。
他にも物件の過去の売買履歴や近隣物件が売りに出している価格や、過去に売買が成立した際の価格など、投資にも役立つ情報がリアルエステートテックによって提供されています。
これらの情報がインターネット上でカンタンに閲覧できることによって、アメリカでは中古住宅売買のハードルは低くなっており、そのことが市場の活況につながっているのです。
かたや日本国内ではどうかというと、IT技術を活用して不動産情報を提供する企業も登場し始めており、リビンマッチサイトもそのひとつと言えます。
ビッグデータを元にした物件の市場価格をその場で査定してみたり、賃貸物件についてはおおよその賃料を推定してみるなどのサービスが開始されており、今後の更なる充実が期待されています。
マンションの投資においても売買価格の基準を知ることが可能になるなど、このような情報収集に適した新サービスには多大なビジネスチャンスがあり、歓迎すべき変化といえます。
近年のディープラーニングによる自立学習によってますますAIの能力はその高まりを見せています。
AIを利用することがさまざまな業界で試されているなか、不動産業界においてはリアルエステートテックという形での利用がアメリカで先駆けて行われました。
日本では情報の不透明性が叫ばれていた中古住宅の売買において、売主と買主が必要とする情報をすぐに詳しく提供するシステムが確立されることによって、これまでより大きな規模で中古住宅市場が発展していく可能性も高まると思います。
日本における不動産テックの導入で、業界の旧態依然とした商慣習に大変革がもたらされるかもしれません。